食事量を減らしているのに体重が落ちない。糖質を控えているのに変わらない。一時的に落ちても、すぐに戻ってしまう。以前より疲れやすくなった気もする。ダイエットがうまくいかないと、「努力が足りないのでは」と思ってしまいがちです。けれど、本当の分かれ道は、意志の強さではなく、“体がエネルギーを作れている状態かどうか”かもしれません。
私たちの体は、食べたものをそのまま燃やしているわけではありません。糖も脂質も、体の中でいくつもの工程を経て、はじめてエネルギーになります。その一連の流れがスムーズに進み、必要なときにしっかり使える状態が、いわば“動ける体”です。
その流れを支えているのが、鉄、ビタミンB群、たんぱく質、マグネシウム、亜鉛などの栄養素です。鉄は酸素を運び、ビタミンB群はエネルギー産生を助け、たんぱく質は酵素や筋肉の材料となり、ミネラルはその働きを支えています。これらがそろっていると、糖も脂肪も無理なく使われていきます。
一方で、材料が不足していると、エネルギー産生の流れは滞りやすくなります。体はその状態を「エネルギーが足りない」と察知し、無理に消耗しないように、出力を落とす方向へ調整します。いわば、“止まってしまった体”です。ただしこれは、体が自分を守るために選んでいる、本来は大切な反応でもあります。
そして多くの人は、この“止まってしまった体”のまま、ダイエットをしようとしています。
この状態では、糖を減らしても脂肪をうまく使えない。食事量を減らすほど余裕がなくなる。その結果、思ったほど体重が減らない、停滞する、少し食べると戻りやすい、といったことが起こります。
ダイエットは「減らすこと」と思われがちですが、実際には「使える状態かどうか」が土台にあります。止まってしまった体のまま制限を強めると、体はさらに守りに入ります。反対に、使える状態が整っていれば、極端な制限をしなくても、体は自然とバランスを取り始めます。
あなたの体の土台作りを考えるとき、まず確認したいのは、どれだけ減らすかではなく、体の中でエネルギーを作るための材料がそろっているかどうか。うまくいかないのは、努力が足りないからではありません。止まってしまった体のまま、減らそうとしているだけかもしれません。
減らす前に整える。そこが、ダイエットの成功と不成功を分ける静かなポイントです。
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